冷凍食品の歴史・進化

電子レンジで温めるだけで、できたてと変わらないおいしい料理を楽しめる冷凍食品。その利便性から、今日ではすっかり忙しい人の味方として定着した感があります。では冷凍食品は、いつ、どうやって生まれたのでしょうか。冷凍食品の歴史をひも解いてみましょう。
●黎明期
冷凍食品の歴史は意外と古く、その誕生はなんと100年近く前までさかのぼります。そもそもの発祥は1900年代の初頭にアメリカで、ジャムに加工するためのイチゴを冷凍にして輸送したのがはじまりという説が有力です。時を同じくして(正確には1920年、大正9年)日本でもニチレイ(当時は葛原商会と称していました)が、日産10トンの凍結能力を持つ巨大冷蔵庫を北海道森町に建設します。もはや冷凍室と言っていいレベルですね。
その10年後、1930年(昭和5年に)日本水産(当時は戸畑冷蔵)がアメリカと同じくイチゴの冷凍に着手。ジャムへの加工を目的としたアメリカのものとはちがい、イチゴそのものを味わう商品で「イチゴシャーベー」と名づけられて市販されます。この頃になると一般家庭にも冷蔵庫が徐々に普及しはじめますが、市販される冷凍食品は「保存用に冷凍した果物」が主体でした。
1954年(昭和29年)に学校給食法が制定され、冷凍魚のフィレーや冷凍コロッケなどが給食として出されはじめます。その5年後の1959年(昭和34年)、電子レンジの販売がスタート。当時はまだ業務用のみでしたが、それでも冷凍食品は劇的な進化を遂げました。さらに1966年(昭和41年)、待望の家庭用電子レンジが登場。翌1967年に(昭和41年)には5大調理冷凍食品(コロッケ、ハンバーグ、焼売、餃子、えびフライ)が市場に定着し、冷凍食品は成長期を迎えます。
●成長期
1969年(昭和44年)、冷凍食品に関する広報、品質や技術の向上、研究や調査などを行なう機関・日本冷凍食品協会が設立。大阪万博が開催された1970年(昭和45年)には、ファミリーレストランといった外食産業への展開をきっかけにして冷凍食品は爆発的に普及しました。同時に日本冷凍食品協会による、工場認定制度がはじまります。その後、銀座に1号店をオープンしたマクドナルドのマックポテト、学校給食で大好評を博したアップルシャーベットなどの登場により、冷凍食品はその人気を不動のものとしました。
それまでも冷蔵庫は少しずつ普及していましたが、1975年(昭和50年)には一般家庭への普及率が95パーセントを超えます。同じ年、冷凍食品自主的取扱基準における「配送時や小売り段階での冷凍食品の管理温度」をマイナス15℃以下からマイナス18℃以下に引き下げられました。この変更によって、より安全で味のよい冷凍食品が食べられるようになります。またマイナス18℃という数字は、1986年(昭和61年)に10月18日と定められた「冷凍食品の日」の由来にもなっています。冷凍の“とう(10)”とマイナス“18”℃を合わせて、10月18日というわけですね。
●成熟期
電子レンジの普及率が90パーセントを超えた1997年(平成9年)、ほとんどの家庭が冷凍食品を利用するようになりました。さらに2年後の1999年(平成11年)には、冷凍食品の成熟期ともいうべき時代に突入、自然解凍で食べられる調理用冷凍食品が発売されます。冷凍された食品を温めずに(解凍せずに)弁当箱などへ入れ、昼休みには自然解凍されて食べごろになっているという、この画期的な商品を皮切りに、次々と新たなアイディアを盛り込んだ冷凍食品が開発されました。
2000年(平成12年)に大ヒットしたソバ飯。温めるだけで気軽に焼きたての味が楽しめる冷凍ピザ。加熱しても半熟感を保ったままのとろっとたまご。冷凍食品のブームはまだまだ続きそうです。

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